はじめまして
陶古窯オンラインショップです
数あるお店の中から、当店を見つけて下さって、本当にありがとうございます!
本日は、どのようなものをお探しでしょうか?
陶古窯オンラインショップでは、窯元 小西陶古の商品と、作家 小西陶藏の作品を販売しております。
窯元ってなに?作家と何が違うの?
疑問に思うこと第一号に、お答えします。
これは、あくまでも「当店では」ということでお話しさせていただきますね。
窯元小西陶古 店舗
窯元では、確かな技術を持った大勢の職人たちが「小西陶古(こにしとうこ)」というブランドで商品を制作しています。同じデザインを安定して量産することが可能な体制ですので、年に4回ほど陶古が持つ窯を焚き、普段使いの食器類を中心に制作しています。(窯焚きは非常に手間と時間がかかるので年に1回というお店も珍しくありません)
ギャラリー陶藏 店鋪 /小西陶藏
一方、作家である小西陶藏(こにしとうぞう)の作品は、基本的には作家本人によって生み出される作品ですので、一点ものという扱いであり、窯元の商品に比べると値段は少々お高くなります。また「個展」を行うのも作家です。素材選び、技、センス、全てが作家の感性にかかっているというわけです。
それを踏まえた上で、当店の商品のお届け方法には2種類あります。
一つは、商品画像を見本とした同型の商品をお届けする方法です。
説明欄に「写真は見本としてお考え下さい」と記載しています。
できるだけ写真の印象に近いものをお届けするよう心がけておりますが、備前焼の製法上、色柄の出方が完全に同じ物というのはございません。届いた商品の色柄も焼き物の個性として愛していただけたら嬉しいです。製法について、詳しくは後ほど。
もう一つは、商品画像そのものをお届けする方法です。
小西陶藏による作家作品もそうですが、窯元の商品であっても、色や形がユニークで同じものを多数確保できないものは、お選びいただいた画像の作品“そのもの”をお届けいたします。
商品の説明文をよくご覧になって、お間違いのないようにしてください。
さて、お客様はどのようなきっかけで備前焼に興味を持つようになられましたか?
年齢を重ねるにつれ、備前焼の素朴な雰囲気が魅力的に思うようになってきたという方は多いですよね。
でも、具体的に他の陶器と何が違って、どう選べばいいのか、初めての方は戸惑ってしまうはず。
・人から勧められるがままに買ったが、結局使わなくなった。
・高いから良いと思い、奮発して買ったが、もったいなくて使えない。
・「いい商品」を買ったが、何が「いい」のか分からない。
こんな経験をしないために。。。
一番大事なことは、「長く使う」ものを「納得して」買っていただくことだと当店では考えています。
当店の製法やこだわりについて、よく知っていただけたら、お客様の手にじっくりと馴染んでいく特別な焼き物になるはずです。
今は、おしゃれで実用的な食器が100円でも買える時代です。
一方で、備前焼は職人の手で何日も何日もかけて丁寧に生み出されますし、決して安いとは言えませんが、だからこそ、5年、10年と「長く使う」ものを「納得して」買っていただくことが大事だと考えています。
【希少性と作り手の手間】
備前の土は、主に伊部という地域周辺の田んぼから採れますが、「窯は売っても田は売るな」と言われるほど貴重なものです。
また、耐火度が弱いため、長時間をかけてゆっくりと焼き締めなければ、キズや亀裂が入りやくなります。
窯焚きに2週間という時間を要するのはこのためです。
(一般的に、これほどまで窯焚きに時間をかける焼き物はありません。)
窯焚きの燃料となる赤松の割木や木炭といった材料にも費用がかかります。
また、備前焼は収縮率が高く、乾燥から焼き上がるまで約20%も収縮し、変形することもしばしば。
このように備前の土はデリケートで、土づくりから窯焚きにいたるまで、非常に手間のかかる焼き物なのです。
しかしながら、この時間と手間が、備前焼を唯一無二の個性ある焼き物にしました。
千年の間、途絶えること無く人々を魅了し続けた理由がそこにあります。
【素焼きでありながら、豊かな色と柄】
備前焼は本来、人工的に模様を書いたり着色を施したりしない、釉薬(うわぐすり)を使わない、「素焼き」という焼き物にあたります。
一方で、土に鉄分を含むということと、長時間の窯焚きにより、燃料の灰がかかるなどして、釉薬を使わないにも関わらず、様々な色柄が表面に現れます。
これを景色と呼びます。
備前の景色には主に「緋襷/ひだすき」「桟切/さんぎり」「胡麻/ごま」「灰かぶり」「青備前/あおびぜん」などがありますが、これらは焼き方や窯の中の置き場所が違うだけで、すべて同じ土から生み出される色と模様です。
例えば、緋襷は稲藁を巻いた跡が赤い模様となって現れるのですが、こちらは酸化によってできる色味です。また青備前はその反対の還元(酸素が薄い状態)で焼くと現れる青みがかった色になります。
とても不思議ですよね!
備前焼がよく「土と炎の芸術」と表現されますが、それはこのように素材の良さを最大限に引き出す焼成で、なおかつ、ひとたび窯に入れてしまえば、あとは神のみぞ知るというような、一つ一つが違う偶然から生まれる「個性」を持った景色だからだと言えます。
【陶古の持ち味、桟切(サンギリ)という景色】
景色の中でも当店が特に自信をもってオススメしたいのが、「桟切/さんぎり」です。
窯焚きの終盤に木炭を加えることで、化学変化により土の表面に写真のように白、黄、黒などのまだら模様が現れるのが「サンぎり」です。
陶古窯では、窯焚きの燃料となる赤松と木炭とを惜しみなく豊富に使用することで、見応えのあるとても鮮やかな景色を生み出しています。
このサンギリの焼き方は、古くは偶然作られていたものを、窯元の初代 小西陶古が再現方法を見つけだし、焼成技術として確立しました。
【使う度に良くなる色とツヤ】
例えるなら、それは革製品のように。
備前焼は使えば使うほど、色つやが良くなるという特長も持っています。
素焼きゆえに、手や空気中の油分、お酒のアルコールなどが土の表面に馴染み、元々の景色からより深い色ツヤへと変化していくのです。
だからこそ、
初めての方には、使用頻度の高いコーヒーカップやご飯茶碗がオススメです。
食器に限らず、置物も、毎日なでて育てる楽しみを味わってみてください。
【驚くべき効果・効能】
備前焼の魅力は見た目だけではありません。
実用面でも様々な効能があります。
保温・保冷・浄化作用にすぐれ、コーヒーは雑味が消えまろやかに、ビールを注げば泡が消えにくくクリーミーになり、花瓶の水は腐りにくく、生けた花はとても長持ち!
江戸時代以降、「備前水甕、水が腐らぬ」「備前徳利、お酒がうまい」と言われてきたほどです。
知れば知るほど良いこと尽くめです!
ちなみに以前当店の看板犬だったワンちゃんは、備前焼で水を飲むようになってからは、プラスチックや他の器には目もくれなくなりました。これはほんとの話。
【くらしの中でこそ輝く、真っすぐなうつわ】
スーパーで買ってきた刺身も、そのまま移せば、ほら!このとおり!
あぁ、美味しそう。。これを贅沢と言わずに何を贅沢と言うのでしょうか。
適当に盛りつけたサラダも、備前焼ならどうにかなるもんです。
盛り付けに自信が無いと思っている方にこそ、備前焼を試していただきたい。
自然の恵をいただく喜びを素直に感じられる器、最高でしょう?
【自然を受け入れる心】
備前焼は食材を美味しく引き立たせ、お花は美しく保つ、日本独自の素晴らしい焼き物です。
一方で電子レンジや食洗機でのご使用はお勧め出来ませんし、直火やオーブンではご使用になれません。
正直に申し上げて、一般的な食器ほど融通が利くわけでも、特段扱いやすいわけでもありません。
しかしながら、
自然と手が伸び、気づけばいつも備前焼のコップでお水を飲んでいる。
備前焼でいただくお茶やご飯は、不思議と、美味しい。
身体が喜んでいる気がする。
あなたにとって、そういう存在でいられたら、これ以上嬉しいことはありません。
備前焼に魅力を感じるようになったのはなぜか。
それは、おそらく、完璧でないものを受け入れようとする心の現れだと思うのです。
“ま、いっか”
“それもまたひとつの個性ね”、と。
慌ただしく変化するスタンダードに対応しなければならない日々。
思うようにいかず、しんどいと思うこともあります。
そんな時は、ひと呼吸置き、できないことよりも、できることに目を向けて。
ゆったりとした時間が欲しいもの。
四季折々の山川の表情に心が満たされるように、ただ、器を眺めたり、
幼い頃、汚れることも気にせず遊んだ土の感触を思い出すように、器の触り心地を楽しんだりして、
特別な日でなくて良い、
何気ない普段の食事にこそ幸せを感じていただきたい。
末永く当たり前のようにお客様の暮らしに寄り添いたい、
そんな想いでお届けいたします。